おばあちゃんのおぼろげな思い出 我が家の栄枯盛衰
親から聞いた曾祖父さんと爺さんの話、そして無口なおばあちゃんの話である。
我が家の家系
オレの曾祖父さんは、とある小さな町で町長をしていたらしい。
多分戦前の話である。
町長を任されるという事は頭も良かったし、何よりも人からの人望が厚かったということもあったらしい。
そんな曾祖父さんには骨董収集という趣味があった。
たくさんのお宝を集めて持っていたらしい。
もし、いまでもその骨董が残っていたら「なんでも鑑定団」に出せたかもしれないらしい。
その息子、つまりオレの爺さんは腕のいい大工だったのだが、金遣いが荒く、おおくの骨董を売り払ったらしい。
今はお宝は1つも残っていない。
おばあちゃん概念が部屋で静かにしていた理由
爺さんは金遣いだけでなく女遊びも派手だったらしい。(というか、女遊びでお金を散財したんだろうと思うのだが…)
よく遊んだらしい。
その爺さん、60を過ぎて女を作って家を出て行ったらしい。
オレが住んでいた家である。
そうなると、親の親で俺にとっても祖母になるおばあちゃんと離婚をした。
苗字が変わると一気に他人になった感じがする。
オレの知っているおばあちゃんは部屋から出てこない、静かなおばあちゃんであった。
おばあちゃんはさぞかし肩身の狭い思いをしたであろう。
お祖父さんのその後
女ができて出て行ったおじいさんはその後女に捨てられ、おじいさんの娘であり、俺の叔母にあたる人のところに身を寄せていたらしい。
さすがに自分ちには帰ってこれないよなぁ。
その後すぐになくなったらしいのだが、俺のおじいさんなのに葬式には出ていない。
子供だから出る必要がなかったのそれとも、身内の中でわだかまりがあったのかは知らない。
まとめ
その後おばあちゃんも亡くなった。
その後何十年もおじいさんとおばあさんの写真が並んで家に飾られている。
実家に帰るたびに「おばあさんはきっと嫌だろうに」と思ってしまうのであった。